アジアクロスカントリーラリーへの道 第三章

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桃伎舎・サポートメンバーの挑戦

タイで開催されるAXCR「アジアクロスカントリーラリー」が、いよいよ8月9日にスタートを迎える。タイとカンボジアの国境地帯で続いていた紛争は、両国間の無条件停戦に基づき一時ではあるが落着きを取り戻した。この影響によりレースコースはタイ国内のみに変更となったが、総走行距離が当初予定2,500kmからなんと約3,300kmに延長され、過去最長の戦いに過酷さを増した。

このレースに桃伎舎株式会社(東京都武蔵野市)からチーム「Garage Monchi & Yanagawa iron works JAPIND」のサポート役として参加するのが、4名の若き精鋭である。それぞれの思いを聞いた。

松本大真(まつもと ひろま) 技術部 電動駆動開発担当

【レースでの役割】
企画・撮影・チームマネージメント・メカニック

【参戦経緯】
私たちは自動車に関わる企業として「走ること」の本質と向き合うため、レースという極限の環境に挑むことを決めました。また、この挑戦は当社の価値観や働く姿勢を体現する場でもあります。過酷な状況下で挑戦を続ける姿を通して、私たちの考えに共感する未来の仲間と出会えることを期待しています。そして何より、自分たちがこれまで培ってきた力を発揮し、さらに高めるための挑戦として、この参戦を選びました。

【レースへの思い】
昨年に続き、今年もAXCRに挑戦できることを光栄に思います。今大会は約3,300kmという過去最長のタフなルートが待ち構えています。今年は走ることに加えて、チームマネジメントにも関わりながら、メンバー各人が同じ目標に向かって動けるよう、日々の準備や現場での連携にも意識を向けてきました。昨年の経験を糧に、整備面・チームワークの両面でより高い精度を追求し、ゴールだけでなく“内容”にもこだわった参戦を目指します。チーム全体としての成長と成果を形にできるよう、全力で挑みます。

高橋雄大(たかはし ゆうだい) 技術部 エンジン主機設計担当

【レースでの役割】
企画・撮影・SNS運用

【参戦経緯】
AXCR参戦には入社1年目から携わっており、モータースポーツロゴの起案や活動方針の策定など、準備段階から参画し、新たな挑戦に貢献しました。自社ブランドの発信、学生、若手エンジニアへの訴求を目的とする本活動に自らチームの一員として参加することで、さらに強い発信力と説得力を持った活動へと進化させていきたいと思い志願しました。

【レースへの思い】
30周年記念大会という例年以上に走行距離も長く、競技車両・メンバーともに厳しい戦いになることが予想されます。タフな挑戦となりますが、この環境、この舞台で得られる経験はかけがえのないものになると確信しています。チームの一員として全力を尽くして戦います。

高野凌(たかの りょう) 技術部 振騒開発担当

【レースでの役割】
メカニック

【参戦経緯】
私は昨年まで、AXCRの活動を傍観する立場にありました。それ以前から松本氏から「桃伎舎としてAVCRに参加したい」という想いを聞いてはいたものの、正直なところ、本当に実現できるのだろうかという疑念も抱いていました。しかし昨年、松本氏はその言葉を現実にしラリーに参戦、結果を残して無事に戻ってきました。レース参戦だけで終わることなく、ラリー後の専門学校向けの企業説明会では、参加した学生のうち20名近くが会社見学に来社。採用活動にも大きく貢献する結果となりました。このプロジェクトが確実に桃伎舎の武器になりつつあることを実感しています。そんな中、私自身の気持ちにも変化が生まれ、この活動に自分も関わりたい、桃伎舎をもっと盛り上げたい、同じ想いを持つ仲間を増やしたい、そんな想いが強くなり、今年は傍観者ではなく“当事者”としてこのプロジェクトに志願しました。

【レースへの思い】
AVCRの30周年という節目に参加できることにとても嬉しい気持ちです。例年に比べ大会日数や走行距離が増えるため、当然車両やチームメンバー共に過酷な挑戦となることが予想されます。このような環境に身を置けるというのは、必ず自分の成長へと繋がると確信しています。なにより世界を舞台に桃伎舎の存在を広めるチャンスです。私が今まで培ってきたものをフル活用し、チームに貢献できるよう全力で挑みます。

横島勉(よこしま つとむ) 技術部 振騒開発担当

【レースでの役割】
メカニック

【参戦経緯】
入社後にAXCRというレース活動の存在を知り、レースの楽しさや活動の理念、そして松本氏の思いに深く共感しました。自身の成長はもちろん、チームや会社にも良い影響を与えられるような取り組みができればと思い、この活動への参加を希望しました。

【レースへの思い】
今回のAXCRが30周年というメモリアルな大会であることを知り、記念すべき節目に参戦できることを大変光栄に感じています。私自身、レースは初参戦で分からないことも多いですが、これまで整備士として培ってきた経験と知識がどこまで通用するのか、この挑戦を楽しみにしています。目標であるクラス優勝に向けて全力で取り組み、チームに貢献できるよう努めてまいります。


今年のAXCRは走行距離の増大に加えて、日程も二日間延長され、各チームとも未知な領域のラリーとなる。「特別な準備は何もない、ただ一つ何が起きても逃げずに立ち向かう覚悟だけ」 彼らは限界突破へ全力で挑む。

©HIROMA MATSUMOTO

AXCR2025日程
8月7日 ウェルカムパーティー
8月8日 セレモニースタート
8月9日 LEG-1 Pattaya to Prachinburi
8月10日 LEG-2 Prachinburi to Khao Yai
8月11日 LEG-3 Khao Yai to Khao Yai
8月12日 LEG-4 Khao Yai to Prachinburi
8月13日 LEG-5 Prachinburi to Prachinburi
8月14日 LEG-6 Prachinburi to Prachinburi
8月15日 LEG-7 Prachinburi to Pattaya
8月16日 LEG-8 Pattaya to Pattaya、表彰式

公認:国際自動車連盟、タイ王室自動車連盟、他
主催:株式会社R1ジャパン
プロモーター:Funatiko Pte. Ltd.
後援:タイ国政府観光庁、カンボジア政府、アジアンラリー親善協会
スポンサー:PROPAK、WELPORT Corporation, Ltd.、中央自動車大学校
(編集 WIN取材班)

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