桃伎舎・熱意が組織を動かすラリー挑戦
桃伎舎株式会社(東京都武蔵野市、代表:成川秀之)がFIAアジアクロスカントリーラリーに「GARAGE MONCHI」(三重県四日市市、代表:竹野悟史)の技術パートナーとして2025年8月にタイで参戦することになった。
2025年アジアクロスカントリーラリー(以下、AXCR)は、1996年から毎年開催されているFIA(国際自動車連盟)公認の東南アジアでの国際ラリーである。タイやマレーシア、ベトナムなどの灼熱な気候を舞台に、山岳地帯やジャングル・川渡りといった自然環境を、毎日数百キロ走破する過酷な競技で、SUVやピックアップトラック、バイクなどが参加、車両の限界はもちろん、ドライバーやメカニックの体力・精神力の極限まで試される、まさに技術とチーム力が問われる過酷なサバイバルレースとして注目されている。

このAXCRに競技車両のメカニックとして参戦する桃伎舎株式会社(以下、桃伎舎)は、「働くなら、笑って働くほうがいい」「人は人についていく」を理念とした、挑戦を続けるエンジニアリング集団である。自動車・航空機開発の最前線で技術の限界に挑み続け、大手自動車・航空機メーカーの技術課題解決に四半世紀以上にわたり貢献してきた。

卓越した人間力、技術力、そして現場対応力を活かし、数々の課題を乗り越え、日本のものづくりを支える「縁の下の力持ち」として地位を築き、社内設計室を設けるなど防衛省関連から自社製品の開発まで活動領域を広げている。これは、技術提供に留まらず、自ら未来を創造していく強い意志の表れとなり、「笑って働く」姿勢は、困難に直面しても前向きに取り組む企業文化そのもの。桃伎舎はエンジニアリングの未来を切り拓く存在として目が離せない。
AXCRで桃伎舎がサポートするGARAGE MONCHI(三重県四日市市、代表:竹野悟史)は、長年にわたり他社とのパートナーシップを拒み続けてきた。外部の介入が活動の柔軟性を損なうことを避けるためである。しかし、桃伎舎の一人のメカニックが抱く揺るぎない情熱が同社エンジニアたちを巻き込み、彼らの強い意欲がその閉ざされていた扉をこじ開けた。桃伎舎のエンジニアたちがGARAGE MONCHIの代表に新たな機会と可能性をもたらすと感じさせたのだ。

そのGARAGE MONCHIに、AXCRの準備が本格化した6月13日から14日にかけて参戦打ち合わせと視察を兼ねて桃伎舎が訪問した。今回の視察には、今年のAXCR参加メンバーと国内サポートメンバーに加え、桃伎舎の役員も同行。これは、社内におけるラリーへの関心の高まりと、会社としての全面的なサポート体制が敷かれていることを明確に示している。
現地では、ラリーにおける機材やスペアパーツの綿密な確認が行われた他、実際に競技車両の検証や走行テストも実施された。GARAGE MONCHIが10年以上にわたり培ってきたラリー参戦のノウハウを、桃伎舎のメンバーが五感で体感する貴重な機会となった。


GARAGE MONCHIとの密なパートナーシップは、単なる技術交流に留まらない。桃伎舎は、この連携を通じて「現場で戦えるメカニック力」の底上げを図っている。社員たちの現場対応力や判断力を磨くことで、同社が強みとするエンジニアリングをより一層際立たせる狙いだ。

ラリー車両および関連荷物は、6月30日に神奈川県横浜市から船便でタイへと出港する予定だ。メカニックたちの情熱が役員陣を突き動かし、会社を挙げてのサポート体制が敷かれる桃伎舎の挑戦は、いよいよ本番フェーズへと移行し、その動向に注目が集まる。
編集:WIN取材班
写真:©HIROMA MATSUMOTO
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