カタールは国内農家の増収に向け種を蒔く

カタール当局の計画は農業システムの効率を高めることに重点を置いている。

国内農家が競争力を持ち、収益を増加できるような生産コストを下げる措置を導入している、と地方自治省の当局者が語った。カタールの国内農家は、深刻な水不足、農業や土地管理にかかる関連費用などを賄うための収益をあげることが困難であるため、農産物は輸入品に大きく依存している。

同省の計画は、農業システムの効率化、土地と水資源利用の最適化、より優れた灌漑技術を含む先進技術と持続可能な農法の導入に重点を置いている。これらの取り組みは、食糧安全保障の達成と輸入資源への依存の削減という同国の長期ビジョンと一致している。

「この計画は、主要な課題の一つである水不足の問題に対処するため、地元の農家がより高い効率の農業システムを導入できるよう支援するものだ」と、地方自治省農業局長のユセフ・ハリド・アル・クライフィ氏は述べた。彼は、水に溶解し成長に必要なすべての化学元素を含む不活性培地、または基質の状態でバランスの取れた栄養溶液を作物の根に与える水耕栽培システムのより広範な導入を提案した。「近隣諸国と同様、カタールにとって最大の課題は水です。農業は通常、地下水に依存しているからです。雨は地下水の主な水源ですが、過去数年間は雨量が減少傾向にある」とクライフィ氏は語った。

カタールの植物工場は一年中野菜を生産する

環境問題の増大に加え、変化を必要とする経済状況にもクライフィ氏は注目している。「肥料の価格も過去2年間で約100パーセント上昇しました。そのため地方自治省は、輸入農産物と市場で競争するために、国内農家が生産コストを削減できるよう支援しています」とクライフィ氏は述べた。

同省の取り組みは、必要となる農業資材の提供から調査やマーケティングプログラムの実施まで、国内農業の持続可能性と収益性を高めることを目指している。この取り組みにより、農産物の生産コストの計算が可能になり、政策立案や資源配分に役立つ貴重なデータを提供することができる。同省はまた、種子、農薬、肥料、温室、灌漑ネットワーク、マーケティング支援など、農業に不可欠な資材を提供することで、国内農家を積極的に支援している。

しかし、カタールは依然として農産物の大量輸入に頼るため、需給状況により野菜価格の大きな変動に直面している。この問題に対処するためには、価格を安定させ、地元農家に妥当な収益を確保するために、供給者が国内産の農産物に重点を置く必要があるとクライフィ氏は強調した。同省は、国内農産物の安定した市場を創出することで、農家に公正かつ持続可能な収入を提供し、農業への継続的な取り組みを奨励することを目指している。

出典：DOHA NEWS