カタールのヒジャブコスプレイヤー、アヤット・サリムさん

カタールにヒジャブを巻いたレイヤーさんを発見。気になったのでご紹介です。

お名前はアヤット・サリムさん、カタール在住のイラク人。独学で裁縫と工芸を学び、なんと2015年からコスプレ活動をしているそうです。コスプレに興味を持ったのは2011年、コミコンファンに関するドキュメンタリー映画を見て、素晴らしいコスチュームを作っているのをみて感動し、コスプレイヤー達が、キャラクターやストーリーへの愛を世界に宣言する勇気に感心し、自分でもコンベンションに参加しようと考えたそうです。

ちなみに中東では2012年からコミコンが開催されており、すでに13回目で何万人ものサブカルファンが押し寄せる大イベントになっています。アジアからアメリカ、ヨーロッパだけでなく、中東地域からアフリカ地域まで、全世界で大きなイベントが開かれており、コスプレ・サブカルは世界へ羽ばたき人類を平和に導くオリンピックと同等、大きな影響を与えるイベントに進化したといえるのではないだろうか、、、大袈裟?!

話を戻して、アヤットさんの最初のコスプレは、なんとキングダムハーツのキャラクター。初めて一人でプレイしたゲームで思い入れがあったそうです。そこで大きな難問が一つ、日本では馴染みの薄いヒジャブの着用をどうするか、、、そこで思いついたのが、キャラクターの「ヒジャブ化」。キャラクターがヒジャブを着用しているように描きなおすという、10代の頃によくやっていた楽しい遊びが役に立つことを発見し、独自のオリジナルのキャラクターセットをデザインすることになったという。キングダムハーツのアクアに扮したアヤットさんは、キャラクターの髪と似た生地で
ヒジャブを縫いあげたそうです。

©Ayat Salim

アヤットさんのコスプレは、思い入れのある作品から好きなキャラクターを選び、デザインをヒジャブに合うように修正する。髪型をより忠実に模倣しながらも、明らかにヒジャブであることを表現するために、何年もかけてヒジャブ化する方法を編み出したそうです。

制作過程は本格的で、自分で寸法を測って作成したマネキンに布をドレープしてパターンを作成、少なくとも1つのモックアップを確認して、必要な調整をしてから、最終的な作成に入るそう。。。武器や小道具がある場合は、EVAフォームで作成する。。。なかなか気合入ってますね。

©Ayat Salim

ヒジャブを被ってコスプレをすることに、ウィッグを被れと批判的な輩もいるようですが、コスプレはアヤットさんの人生に良い影響を与えたようです。「とても内気で内向的だった私を殻から抜け出す手助けをしてくれた、ある意味コスプレは暴露療法のようなものだと思っている、人と一緒にいることに慣れ、他のオタクと共通の趣味についておしゃべりすることができるようになった」と。自分に自信が持てるようになるコスプレ、人生を前向きにする一つの手段で
あることは間違いないようです。

©Ayat Salim

アヤットさんは、長年のヒジャブコスプレでレイヤーから一目置かれる存在となり、コスプレコンテストの審査員を務めるまでになったそうです。「ソーシャルメディアで見かけるハイレベルなコスプレイヤーに怖気付かないでください。誰でも最初は小さなことから始めますし、趣味は楽しむためにあるのです。自分の価値観を妥協しないでください。キャラクターの衣装の一部が気に入らない場合は、変更しても問題ありません。」

コスプレで世界平和。

写真:©Ayat Salim

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次